東京ビックサイトで行われるイベントは、コミケだけではありません。
今年で16回目になる環境に関する展示会『エコプロダクツ2014』が開催されると聞き、仕事の参考にと見学に行ってみることとしました。
ビックサイトの東ホール全体を使って、大手企業から官公庁、学校、小さな個人ショップが、最先端から生活の工夫に至るまで、あらゆるエコビジネスを展示する3日間。
会場に行って驚いたのは、社会科見学の小学生の団体が多数来ていたこと。
エコの担い手として、企業や公的機関と共に、次世代を作る子どもたちに大きな期待を寄せられているんだと感じさせられました。
当然、展示内容も子どもたちに分かりやすく楽しめるように、ゲームやワークショップなどを中心としたものが多数あります。
こちらは、紙パック入りの牛乳を飲み、その牛乳パックを手開きして回収に回し、リサイクルに役立てようというブース。
説明を聞きながら牛乳1パックを飲むのですが、冷たい牛乳の一気飲みは苦手なので、変なところで四苦八苦してしまいました。
また、牛乳パックを細かくほぐし、水に溶かして手すき和紙を作るブースもありました。
牛乳パックは高品質で、かつ白いため、リサイクルすれば色々な物に活用ができるそうです。
和紙作りはその高品質を知ってもらうために行っているのですが、表面のコーティングをはがせば自宅でも和紙作りが楽しめるとのお話でした。
紙つながりで、CO2削減や水のリサイクルに力を入れているという製紙会社ブースでは、自社の紙を使ったオリジナルノート作りを行っていました。
指導してくれるのは現役の藝大生、企業と学校のコラボで、デザインもお洒落ですね。
ノート作りは直接にはあまりエコとは関係はありませんが、人気のブースだったので、企業アピールとしてはかなり役立っていたようです。
物づくりワークショップから目を転じ、物流部門を見てみると、宅配サービス事業者の展示はゲーム形式となっていました。
他の宅配業者分も含めて、1カ所に集めた荷物を一括で配送することによって、エネルギーの削減、渋滞の緩和に役立つということを、3つのボールを転がして1カ所のビルに集めるというゲームによって体感します。
進撃の巨人展?、ではありませんが、こんな目を引くブースを作る企業もありました。
リサイクルや廃棄物処理を行っている、一般にあまりなじみのない会社のようですが、来場者の興味を引くよう、色々と知恵を絞っているようです。
さて、歩き疲れたので、この辺でランチをいただきます。
会場内には2カ所の飲食エリアがあるのですが、こちらは『びっくりドンキー』でおなじみの『ろばカフェ』。
『びっくりドンキー』に入ったことがなかったのですが、省農薬米や栽培基準を設けた野菜を使ったり、生ごみリサイクル率80%を達成するなど、エコに力を入れている企業だったのですね。
木製の皿に盛られた「チーズバーグディッシュ」(900円)に、オーガニック・ドンケル・ヴァイスの3種類のビールの中から「オーガニック」(400円)を。
このビール、カップを見ると『小樽ビール』が作っていることがわかります。
ビアずきさんも書いていらっしゃいましたが、ドンキーさんのビールは侮れませんね。
エネルギーの補給が完了したら、エコ雑貨を扱う「グリーンストアーズ」エリアへ。
千葉の桶川で作っているという綿花から、種を取り出すという作業を体験させてもらいました。
ふわふわのワタの中に種が入っているのですが、ワタが種にくっついているので、意外に手間のかかる作業だということを実感します。
こちらはビールの空き缶を開いて平らにし、そこから折り鶴や蝶を作るアルミ缶クラフトブース。
ビール缶はいろいろなデザインがあるので、いろんな柄の鶴が出来上がります。
専用の器具を開発されたそうですが、器具よりもこの折り方を考えた方に脱帽しました。
最後は、会場内のもうひとつの飲食エリア『3Rカフェ』へ。
オーガニックなど素材にこだわった料理を提供するブースが並びます。
コーヒーでもいただいて帰ろうと寄ったところ、こちらのお店の料理は、すべて「タッパーウェア」に入っていて、その容器は持ち帰りOKとのこと。
閉館30分前だったこともあり値引きもされていたので、『みどりえ』の「オムライス」(500円位)と『kurumi』の「トマトスープ」(500円位)の2つをお土産に買って帰りました。
ともに滋味あふれる美味しい料理だったのですが、気になったのは、この容器の色もデザインも可愛いこと。
特にスープが入っているジャーは側面4カ所が透明になっていてお洒落なので、もう一つ買い求めたいと思ったのですが、タッパーウェアのHPを見ても出てこないので、イベント限定だったのでしょうか。
ともあれ、いずれも説明やワークショップがとてもよくできていて、実に面白く、子どもから大人まで学べて楽しい展示会。
「エコ」は、質実剛健・清廉潔白だけでは浸透しないので、楽しみながら無理なく自然に生活の中に取りこもうという意図はよくわかりました。
そして、もう一方では、もうかる産業&企業のイメージアップとして、強力なPR材料となっているんでしょうね。
しかし、ブースを回るごとに渡される、大量のパンフレットにタオルやハンカチ、試供品やお土産の数々。
これらって、エコになっているんでしょうかね?